緋と微熱と狂想曲【上】





「だって、人間に見え──」



そう言い掛けた時だった。



『お待たせ致しました!
此方、珈琲とメロンソーダになります』



ウェイターさんが私達のテーブルに来て、珈琲を皐月くんの前に。
メロンソーダを私の前に置いた。



『御ゆっくりどうぞ』



ウェイターさんはにこやかにそう告げると伝票をテーブルに置いて他のお客さんのテーブルへ行ってしまった。



「……。」



「……。」



妙な沈黙が流れる。



気、気まずいっ…!



私は額に冷や汗が滲み出るのを感じた。



先に沈黙を破ったのは皐月くんの方。



「取り敢えず、飲もうか」



そう言って珈琲が入ったカップに手を付けた。



「うん…」



私もメロンソーダのグラスを握る。