緋と微熱と狂想曲【上】





「どうした、依茉?」



そんな私を見て皐月くんはじっと顔を覗き込んできた。



暫し見つめ合う私達。



…不思議。



皐月くんの事、失礼な人だって思ってるのに。
逢ったばかりなのに、馴れ馴れしいって思ってるのに。



今も呼び捨てで名前、呼ばれたのに。



長年付き合ってる男友達にも下の名前で呼ばれた事無いのに。



皐月くんに“依茉”って呼び捨てされるのは嫌じゃない。



何でか分からないけど、凄く不思議。



それにしても…、



私は瞬きもせず皐月くんを見つめた。



さっき肩を叩かれて振り向いてから、
皐月くんの顔を見てずっと思っていた事。



皐月くんは綺麗だ。



…って言うか美少年。