緋と微熱と狂想曲【上】





テーブルを軽く叩いて椅子から身を乗り出して、そう宣言すると。



「くくっ…」



目の前の有賀さん、いや…
皐月くんは声を押し殺して笑っていた。



か、感じ悪っ!



「何が可笑しいのっ!?」



キッと皐月くんを睨み付けると。



「ああ、ごめん。

依茉が“敬語使いません!”って言いつつも敬語で話してたから…
何か可笑しくて」



皐月くんはクスクス笑った。



た、確かに…!



でもこれからタメ口で話すのよ!



てか、皐月くん順応早っ!



さっきまで私の事“依茉ちゃん”って呼んでたくせに、もう“依茉”になってるし!



何かからかわれているみたいで、少し不機嫌になって
ぷくっと頬を膨らませる。