緋と微熱と狂想曲【上】





「…むかつく。
抵抗しないで、って初めに言ったよね?」



っ、


「でもっ」



「五月蝿い、口答えすんな」



次の言葉は言えなかった。


皐月くんが噛み付く様に私の唇を塞いだから。



「ん、んん~っ!」


皐月くんの舌が私の舌に触れた時、痛い程の快感が体中を駆け巡った。


あまりの衝撃に目を見開く事しか出来無い。



蠢く舌に意識が持っていかれる。


持ってイカレル。



“優しくなんてしないよ、依茉の恐怖に怯える顔が好きだから”


“抵抗するなら、お仕置きする。ちゃんと躾なきゃね?”


脳に皐月くんの声が響く。


今、キスされているから彼自身は喋っていない筈なのに。


それでも彼の舌が、冷たい目が、そう言っていた。