緋と微熱と狂想曲【上】





皐月くんは私の髪をひとしきり指で弄んだ後、髪に、額に、瞼にキスした。


ちゅ、と小さな効果音がリビングに響く。


…くすぐったい。


チュニックから出た腕を舐められて、思わず悲鳴を上げてしまった。


「ひゃっ」


「甘いね、肌」



手にキスされて、また瞼にキスされる。


心臓がバクバク音を立てて、何も考えられなくなる。


ふわふわする。


何だか皐月くんに食べられてるみたいだとぼんやり思った。


今から本当に食べられるんだろうけど。



次に皐月くんが鎖骨にキスした時、びくりと身体が跳ねてしまった。


「っ、あ」


「鎖骨感じる?」



そうじゃ、無くて。


段々と首筋に近付いていくのが分かるから、不安になるの。


覚悟はしていても、やっぱり。