緋と微熱と狂想曲【上】





「記憶を消した時、あの女の人の言葉も操作したの?」


“何も覚えてない、何も知らない。

何で其処にいたのかも分からない”


この一点張りだったと言う事を聞いているから。

もしや、皐月くんに“そう言う風に答える様に”インプットされてしまったのでは無いかと思ったのだ。


だけど、



「はぁ?

そんな事、出来る訳無いだろ」


皐月くんは怪訝そうな顔をして溜め息をついた。



「昨日も言った通り、俺達が出来る事はマーキングと俺達に関する記憶を消す事のみ。

言語を操るって事は脳の中の情報操作。
所謂記憶を弄るって事になる」



「……。」



「そんな便利な事が出来るんなら
今頃、人間社会なんてまともに成立してない。

使い方によっては幾らでも悪用出来るからね」



「そっか、」