緋と微熱と狂想曲【上】





餌の管理なのだと分かっていても、その言葉一つにキュンとしてしまう私は

苑朶さんの言う通り、もう魅入られているに違い無い。



「…皐月くんさ、あの女の人の記憶消したでしょ?」

気になった事が一つある。


「ああ、うん。
それが何?」


やっぱりそうか。



「それって、もうあの女の人が用済みって事だから?」



「いや、元から酒の肴にもならないレベルの女だし用済みって言うよりは用無しだな。

ただ、彼女にしてくれだの、好きだの五月蝿いし

調度腹が空いて苛々してたから貪るならコイツで良いか、って」



“用済みって言うより、用無し”


チクリとまた胸が痛む。



あの人は元から食事の対象としてでさえもまともに見て貰えて無かったのか。


そう思うと、胃までもが痛んだ。