緋と微熱と狂想曲【上】



















入ったばかりのベッドの中の冷たさが人肌で大分暖かくなった頃、
私はそろりとベッドを、部屋を抜け出した。



向かう先はリビング。



単に喉が渇いたから飲み物が欲しくなった、


それだけ。



抜き足差し足で薄暗い廊下を歩く。


すっかり暗くなった外の景色がリビングに繋がる扉の小さなガラスに映った。


リビングには皐月くんがいる筈、

大きな窓のカーテンはまだ締めてないみたいだった。



顔を合わせるのが、ちょっと、いや、大分怖いけど…

帰って来た時は普通だったし大丈夫だよね?


そうであって欲しいと自身に言い聞かせて私はリビングの扉を開けた。



ガチャッ、