それは、時に大切な人を、友達をもすら残酷に絶望の淵へと追いやってしまう事になる。
……私も、そうなのかな?
いつか、そんな選択肢が訪れたら非情にも他人を突き放してしまう、そんな日が。
そう考えると頭の片隅がひやりと冷えた気がした。
“痛い程考えてる、無力や痛みや拒絶、絶望の総てを”
皐月くんが感じる無力って何?
痛みって?
拒絶、
絶望。
そんな単語が易々と口から飛び出してくるなんて。
彼はそんな目に合った事があるの?
皐月くんが見せた優しい顔、身も凍る様な冷たい表情。
一体、どっちが本物の皐月くんなの?
考えても今すぐ分かる様な疑問では無かった。