「まあ、どちらかと言えば偽とは言え
今はお前の“彼氏”だもんな?」
くすり、と笑みを浮かべそれを私に向ける皐月くんに震えが止まらない。
ただ、ただ怖い。
“彼氏”と言う甘い響きも今の皐月くんから聞く言葉は私を縛り付ける恐怖のワードでしか無い。
「…さて、手遅れにならない内に救急車呼ぶかな」
なんて、携帯を取り出す皐月くん。
私でも分かる、少なくとも彼の事を彼氏だと言い張った彼女は皐月くんの事が好きで。
それなのに、それを食事と言う行為で利用され
挙げ句、命を落とし兼ねない様な量の血を取られ
“あまり美味く無かった”
の一言で片付けられた彼女は悲劇そのもので。
