緋と微熱と狂想曲【上】





「実際今、そんな状態になってるけど救急車呼ぶのも案外面倒臭いな」


なんて蔑んだ目付きで女の人を見下ろす。





…信じられない。


本当に、これが、皐月くんなの?



「ど…して?」


どうして“食事”と言う行為でこんなにまで
この女の人の身体をぼろぼろにする必要があったの?




もっと、優しく、



そう、私の血を吸った時みたいに――






「どうして?

それは、この女が思い上がった勘違いをしていたからだ。

俺が、コイツの彼氏だなんて何処の口が言うのか」


冷めた視線が、瀕死状態の彼女に突き刺さる。




それが何だか自分の事の様に悲しく思えた。