「それって私が入って来た店の裏側とは違う“裏側”があって…
其処に繋がってると言う事ですか?」
耳に届いた単語を、少しずつ整理しながら飲み込んで、纏める。
「そう言う事だよ」
“君は理解が早いね”
褒めてるのか、からかっているのか分からない口調。
でも彼は苑朶さんよりは苦手じゃ無い気がした。
「ほら、此方においでよ」
彼の手招きに私はゆっくりと其処に近付いて行く。
私が目の前まで来たのを確認すると彼は今一度、壁にしか見えないソレをコンコンと叩いてみせた。
「分かる?
ほら、隙間があって外の色がぼんやり見えるだろ?」
彼の指差す先には縦に入った小さな隙間。
それはこの壁が壁では無い事を示している。
