曲がり角を曲がってスタッフルームの前を通り過ぎ、今度は来た時は違う左側の通路に足を踏み入れる。
突き当たりは扉になっていた。
彼は“非常口だよ”、と口添えしてくれた。
非常口に向かって歩く彼を不審に思いながら後に続く。
非常口前まで来ると彼は扉の横にある古びた壁をコンコンと叩いた。
…?
彼の行動の意図が分からない。
「不思議そうな顔をしているね」
彼はそんな私の表情を見抜いているらしく小さく笑った。
「実はね、分かり難いけど此処にはスタッフの一部しか知らない隠し扉があって店の裏庭…
死角の空間に繋がってるんだ」
隠し扉?
死角の、空間?
