少しの間の後、手招きをすると言った。
「依茉ちゃんだっけ?
着いて来て、皐月のいる場所に案内するから」
「…お願いします」
正直怖い、計り知れない不安もある。
だけど、知らなきゃ私には先が無いから。
パンドラの箱を、開けるの。
手招きされるがままに彼の後ろを覚束無い足取りで付いて行く。
店の中に入る時に通った扉を再び開き薄暗い廊下へと出る。
背後で扉が微かな音を立てて閉じると、一気にしんとした空気が辺りに張り詰めた。
「酒瓶に気を付けて」
彼は、此処に来る時目にした酒瓶を見付けて私に声を掛ける。
それに小さく頷きながら、彼と少しばかりの距離を取りながら歩いた。
