苑朶さんがカウンターの中で私にオレンジジュースを用意してくれている時に目の端で捉えた光景が正しくそれだった。
何で、いないの?
帰った?
ううん、それなら何で皐月くんもいないの?
“可笑しい”
直感的に私の中の感が働いた。
「…皐月くん、何処にいますか」
不思議と押し出した声は冷静だった。
「皐月は――
もうしばらくしたら、此処に戻って来る筈だから
それまでもう一杯ジュースでも」
「いえ、結構です」
やっぱり可笑しい、彼も何かを知っている。
それを私に隠そうとしているんだ。
今すぐに皐月くんに会いたい。
私の即答した返事に視線を逸らす彼。
狼狽えているのが一目で分かる。
その時、
