「…接待有り難う御座いました。
私、皐月くんに一言告げて帰らせて戴きます」
席を立つ私。
“オレンジジュース御馳走様でした”
お礼をの言葉を付け加えてすたすたと歩き出す。
「ちょっと待つんだ、依茉ちゃん!」
突拍子無い私の行動に焦りを感じたのか苑朶さんも席を立った。
私はぷいっ、とそっぽを向いて皐月くんが接待しているカウンターの方に向かう。
何よ、今更さっきまでの無礼講を詫びられたって…
心の中じゃ許さないんだからね!
心の中で苑朶さんに悪態を吐きながらカウンター前まで来ると。
「…あ、れ?」
其処には先程までいた皐月くんの姿は無かった。
代わりに他のバーテンダーさんがいて、カウンター越しに席に座るお客さんにお酒を提供している。
