緋と微熱と狂想曲【上】





「当たり前だよ。
皐月に捨てられたく無いなら、の話だけど」



「捨てられたく無いなら?」



苑朶さんの言っている意味が良く理解出来無い。



「そう。

皐月は人間の余計な感情を嫌う。
愛だとか、友情だとか、同情だとか。
欲にまみれた人間を見下してる」



「……。」



「だから、皐月の事を好きだとか言う女や
性欲に対してよがる女はすぐに捨てられる。

皐月にとって女は餌でしか無い存在だから。
それ以上もそれ以下も要らない…
必要の無いものだとして見てる」



要らない感情、必要の無いもの。



苑朶さんから紡がれる一つ一つの単語達。



何気無い単語なのに、今はそれが私の胸を締め付ける。



皐月くんとは生きている世界が違うのだと犇々と感じさせられる。