緋と微熱と狂想曲【上】





まだ30分、いや20分位は時間があるな。



私は現時間を確認した後、カラオケ キューブの斜向かいにある喫茶店に目を向けた。



「あの、今時間ありますか?」



私は男の人の方に視線を戻すとそう聞いた。



心配してくれた事と叫んで恥をかかせてしまった事に対して何かお礼をしなくちゃいけないと思ったから。



「時間…?
あるけど…」



男の人は不思議そうな顔をして私を見た。



「じゃあ、そこの喫茶店入りませんか?
私、お礼がしたいんです!」



「え、そんなの良いのに…」



「いえ、そんな訳にはいきません!
私のせいで迷惑掛けてしまったので何か奢ります!」



そう言って男の人の腕を喫茶店の方へと引っ張る。