「皐月は簡単に依茉ちゃんを手放したりしない」
「……。」
そう言う事を聞きたい訳じゃ無いのに。
「皐月は適当な餌を此処に連れて来るけど、専用の餌はあまり此処に連れて来る事は無いんだ」
「そう、ですか」
私が皐月くんの専用の餌になってる事、苑朶さんにも知られてるんだ…。
「現に、皐月がお気に入りをこの店に連れて来たのは依茉ちゃんが二人目。
前から専用の餌の女の子はちらほら見た事はあるけど。
この店に来た事は無かったな」
遠い過去を懐かしむかの様に目を細める苑朶さんに
私の心臓はドクドクと音を立てる。
頭の何処かでは気付いていた筈なのに、意外にも傷付いている自分がいた。
私は最初の専用の餌じゃ無い。
皐月くんの“お気に入り”の何番目かなんだ…。
