「何だか驚かせてしまってすみません。
そんなつもりじゃ無かったんですけど」
男の人はそう言って眉をハの字にさせて小さく笑った。
「いえ、此方こそ。
お気遣い有り難う御座います…」
私はぺこりと頭を下げた。
見知らぬ人が見ていられない程、私は青ざめていてふらふらしていたのかな。
せっかく私の身体を気遣って声を掛けてくれたのに、肩を叩かれただけで
まるで痴漢にでも遭ったかの様な悲鳴を上げてしまった。
何て情けない、失礼な事をしてしまったんだろう。
私は罪悪感の念に駆られた。
目の前で微笑む男の人への申し訳無さでさっきまでの恐怖心や動悸はいつの間にか何処かへ消えてしまった。
携帯を鞄から取り出す。
ディスプレイを見ると2時30分。
