「あっ…やっん、」
暗い部屋、湿った吐息とベッドのスプリングが軋む音だけが聞こえる。
…本当に?
いや、それだけじゃ無い。
部屋には私の甘い声と私を脅迫する彼の声も響いていた。
「んっ…」
私の首筋に舌を這わせて彼は妖しく微笑んだ。
「もう少し静かにしてね?
じゃないと依茉の血、全部吸い尽くしちゃうよ?」
「やっあ…!」
それだけは、やめて…!
彼の微笑みに私は恐怖を感じて小さく悲鳴を上げた。
「なら、静かにして」
彼は噛み付く様に私の唇を奪った。
その瞬間、私は抵抗する気力を失い
くたっと身体中の力が抜けてしまった。