トゥルルルルル、トゥルルルルル…



四回程キャッチ音が流れた後、プツッと音は切れ
代わりに電話が繋がれた音がした。



「あ、あのっ…私っ!
私ですっ…!」



繋がった瞬間、緊張感がMAXに達して声が震える。



『“私”って誰だよ』



電話の向こうで落ち着いた声がした。



皐月くんだ。



だけどクスクス笑っている声も聞こえる。



「名、名取依茉でしゅっ…!」



しまった、噛んじゃった!



なんて思った時には既に遅し。



皐月くんは電話の向こうで吹き出していた。



『“しゅっ”て何だ、“しゅっ”って。

バカ丸出しじゃん』



ううっ、恥ずかしい。



恥ずかし過ぎるっ!



私は顔を真っ赤にして押し黙る。