余程のお人好しで無い限り駆け付けてくれる人はいないだろう。



況してや、私と同期の男の子達は大学生とは言え高校を卒業したばかりなんだから
車の免許を持っている人なんて少ないと思うし。



「はぁー…。
やっぱりここは謝るしか無いかなぁ」



“一人友達を失う覚悟で”



そう心の中で呟いて自嘲気味に笑った時だった。



急に視線を感じて私は、はっと辺りを見まわした。



辺りは大勢の人が普通に道を行き交っていて
近くを走る車のエンジンの音やゲームセンターの機械の音が騒々しく鼓膜を突く。



誰も私を見ていた様な人はいない。



一瞬、“和夏が来たのかな?”とも思ったけれど姿が見えない所を見るとまだ来ていないみたいだ。