緋と微熱と狂想曲【上】





教室に着くと和夏が先に席を取っていて私に手招きをした。



「依茉ー、おはよう」



「おはよう」



笑顔で和夏の元へと駆け寄る。



だけど、次に和夏の口から出てきたのは今しがた騒がれていた出来事についてだった。



「依茉、有賀くんに送って貰ったんだってー?

良いなぁーっ!」



!!



「何でそれを…?」



「だって教室入る前に女の子達が話してたの聞こえたんだもん。

“人間離れした格好良い男の子が校門前にいる”って。

有賀くんの事でしょ?」



……。



「うん、まぁそうなんだけど」



私は苦笑い。



人間離れした格好良さ、って。



例え方があながち間違って無い事に驚いたけど。