緋と微熱と狂想曲【上】





私と皐月くんを乗せたバイクはビュンビュンと風を切って走る。



大きな横断歩道、人気の少ない小道、良い香りのする花屋さんの前を通って走って行く。



初めてバイクに乗った感想は凄く心地良かった。



高校生の頃、クラスの男子が“早く免許取りてー”と騒いでいたのも分かる気がする。



でも自分で運転したくは無いな、そう思った。



バイクに乗っている間は私も皐月くんも無言だった。



話し掛けて運転の邪魔をするといけないと思ったし、皐月くんもこの風を切る感覚を楽しんでいるみたいだったから。



道行く人達が走り去る一瞬に見た皐月くんの顔を二度見して、きゃあきゃあ言い合っている。



会話は聞こえないけど、言っている事は何と無く予想出来る。