「それに例え事故に遭っても死なせやしないよ、依茉だけは」
バイクが動き始めると同時に皐月くんは言った。
「え?」
思い掛けない言葉にドキッとする。
皐月、くん…。
ちょっぴり皐月くんが本物の彼氏になったみたいで嬉しく感じた瞬間。
「依茉の代わりは沢山いるとは言え、
依茉の様な極上な血を持つ輩は滅多にいないんだ。
交通事故なんかで絶対失わせない」
「……。」
訂正します。
少しでもときめいた私がバカでした。
そうだ、皐月くんはまず一人の女の子として私の事を見てくれていない。
飽くまで、私は貴重な食料で。
“大事な餌”で。
それ以上でもそれ以下でも無いんだ。
そう自覚すると少しだけ胸が痛んだ。
