どうか振り落とされません様に。
振り落とされません様にっ…!
ぎゅっと目を瞑る。
「何してんの、依茉」
頭上から降ってきた声に目を開くと、皐月くんが呆れた顔をして私を見ていた。
「服の裾掴むバカが何処にいんの。
ちゃんと腰掴んでてよ」
「…良いの?」
「いや、常識だから。
ほら、さっさとして」
その言葉に少しだけ安心して私は恐る恐るだけど皐月くんの腰に腕をまわす。
皐月くんの腰は女の子かって思う位華奢だった。
でも骨の角張っている所に手が当たると、
やっぱり男の子なんだって事を意識してしまう。
不覚にもドキドキしてしまう。
後ろから抱き付きながら、
この心臓の高鳴りが聞こえないか
皐月くんに対してドキドキしている事がバレないかそれだけが不安だった。
