「…じゃあ乗る」
私は皐月くんの顔が真っ直ぐに見れなくて目を逸らしたまま返事をした。
「おいで」
皐月くんはそんな私を知ってか知らずか、爽やかな笑顔で手招きした。
戸惑いながら皐月くんの元へと近寄る。
バイクの前まで来た時、皐月くんは私の頭にヘルメットを被せた。
「しっかり被っときなよ」
「うん」
今度は皐月くんの目を見て頷く。
皐月くんのシャツの裾を掴みながら私はバイクに跨がった。
何か、座る所ゴツゴツしてるし座り難いかも。
急に不安になってきた。
だけど皐月くんはもうエンジン入れようとしてるし…
今更“やっぱり降りたい”なんて言えない。
「~っ」
皐月くんの服をさっきよりも強く握り締める。
