緋と微熱と狂想曲【上】





サンシャイン…、



「店の名前、サンシャインって言うの?」



「そう、店の雰囲気に全然そぐわない感じの名前」



「サンシャイン、って明るい感じのイメージがあるんだけど」



サンシャインって直訳すると“日光”だし。



「全然、明るく無いよ。
寧ろ昼前から薄暗くて辛気臭い店だし」



「そ、そうなんだ…」



僅かに口端が下がった私を見て、



「やっぱり来るのやめとく?」



皐月くんはそう言って私の顔を覗き込んだ。



綺麗な黒髪がさらっと揺れる。



黒い瞳が私を映し出す。



「ううん…

行く」



魅了された様に私は答えていた。