「良いの? 行っても」
「だって気になるんでしょ?」
皐月くんが一階のボタンを押すと扉が閉まってエレベーターは下へと降り始めた。
確かに、気になる所だけど。
「どんな場所なの?」
「それは来てからのお楽しみー」
皐月くんはシャツのポケットからボールペンとメモを取り出すと、何やらさらさらと書き出した。
何を書いてるんだろう?
メモを覗き込みたい衝動を抑えながら、じっと待つ。
チンッ、
再び音がしたかと思うとエレベーターは一階に着いた。
扉が開いて私と皐月くんは足早に降りる。
吹き抜けのオレンジ色の光が差す明るいエントランスの中を通って
マンションを出ようとした所で
皐月くんはボールペンをしまい、メモを私に渡した。
