「何、気になる?」



皐月くんは意地の悪い顔をして私を見る。



「…少し」



小さく頷いた。



「依茉さ、今日は大学昼前に終わるんだよね?」



「う、うん…」



「その後、予定とかあんの?」



予定…



今の所は別に、



「無い、かも」



そう答えると。



「じゃあさ、俺のバイト先に来てみる?」



「えっ!?」



皐月くんがそう言ったと同時に、



チンッ、



軽快な音がして目の前のエレベーターの扉が開いた。



ようやく五階に来たみたいだ。



「それって、私が皐月くんのバイト先に遊びに行くって事?」



「そう」



二人で話しながらエレベーターに乗り込む。