「治癒、完了」
…へ?
思いもしなかったその言葉に怒るのも忘れてぽかんと口を開ける。
な、に…?
治癒、って…?
間抜け面した私を見て皐月くんはニヤリと笑った。
「俺が理由無しに依茉なんかにキスすると思った?」
!!
「する訳無いじゃん、お子様に。
頬の傷口、塞いだだけだよ」
「えっ!?」
急いで舌を傷付いた左頬に滑らせてみる。
其処には──
「本当だっ!」
さっき歯で噛んでしまって血が出ていた筈なのに、今では綺麗さっぱり跡形も無くなっていた。
傷、治してくれたんだ…。
「餌の健康管理は俺、欠かさない事にしてるんだ」
「何、それ…」
思わず笑みが零れる。
