緋と微熱と狂想曲【上】





「あ、はい。了解です」



何だか拍子抜けだ。



皐月くんの言う事一つ一つが正当なもので。



「それと、準備が出来たらさっさと玄関に来て」



…何だろ?



妙に苛々した表情の皐月くん。



「どうしたの?」



「良いから、早くっ」



「う、うんっ!」



私は慌てて席を立つと食器を全部、台所に運んで食器洗浄機に掛けた。



ばたばたとした足取りで部屋に戻って軽くメイクをする。



今日は確か、二限目までしか授業が無いからお昼前には学校終わるな…。



手帳を見て今日の予定を確認する。



あ、そう言えば昨日の授業で消しゴムが無くなりかけだったんだ!



ふと、そんな事を思い出した私は机の引き出しから真新しい消しゴムを取り出して
無造作に鞄の中に突っ込んだ。