あの時の事、気に掛けてくれたんだ。
じんわりと胸の奥が暖かくなっていく。
「何、珈琲のが良かった?」
「ううん、紅茶で良かった。
皐月くん、有り難う」
「そ、なら良いけど」
皐月くんは珈琲をまた一口啜ると、軽く手を合わせて席を立った。
「もう食べ終わったの?」
「見て分からない?」
皐月くんの前に並ぶ三皿を見るとどれも綺麗に空っぽだった。
完食、を表している。
「依茉も早く食べないと学校遅れるよ?」
「あっ!」
私は急いで残りのサラダを掻き込む。
紅茶をぐびぐびと飲み干す。
「皿洗いは依茉がやっといて。
依茉んちの食器洗浄機、使い勝手が分かんないから」
