緋と微熱と狂想曲【上】





マグカップに手を伸ばす。



中身は珈琲だよね。



傷に気を遣いながら流し込む様にして一気に飲むと。



……。



………あれ?



妙な味がして私は眉を潜めた。



これ、珈琲の味じゃ無い。



紅茶の味がする。



マグカップの中を目を凝らして見ると、其処に入っていたのは透明な赤茶色の液体だった。



間違い無い、これは紅茶だ。



「皐月くん、飲んでるのって珈琲だよね?」



「うん、そうだよ」



「でも私のは紅茶?」



「うん、そうした。

だって依茉、甘党っぽいし」



……?



「喫茶店でさ、メロンソーダ頼んだだろ?」



「あ…」



「しかもフロート付きの」



「っ、」