緋と微熱と狂想曲【上】





「そう言うの、らしくてさ」



らしくて、って?



不思議そうな顔をするアタシの表情を見て皐月くんは苦笑した。



「つまり、依茉らしくて可愛いって事」



「っ、」



ぼぼっ、と顔が真っ赤に染まる。



鏡なんて見なくても分かる。
頬が、熱い。



「可愛いー」



皐月くんはそんなアタシをからかうかの様にクスクス笑った。



「も、もうっ…!」



そんな事、本気で思ってる訳じゃ無いくせにっ…!



皐月くんは口が上手い。



どうすれば私が…



人間の女の子が喜ぶか知ってるんだ。



くそー、悔しいっ!



照れ隠しにハムエッグをがぶっと口に放り込んだ。



もぐもぐと良く噛み締める。