和夏ったら余計な事をしてくれちゃって~!
これじゃあ今更
“彼氏がいない”なんて事絶対に言えないじゃんっ!
「和夏のバカッ!
私のバカーッ!」
私は手に握り締めたワンピースを見つめて立ち上がった。
このまま座り込んでいたって仕方が無い。
取り敢えず、合コンが始まる時間に間に合う様に仕度しなきゃ!
私は白いフレア調のワンピースを着て、甘い香りのするリップを塗った。
…別に気合い入れる必要なんて無いよね?
ドレッサーの鏡に映る自分を見て納得する様に頷いた。
だって私は彼氏作りの為に行くんじゃ無いし、寧ろ意気消沈状態なんだし。
「良しっ!
名取依茉、いざ出陣!」
私は両頬を数回叩いて気力を絞り出し家を出た。
和夏達の待つ、合コン会場に──。