緋と微熱と狂想曲【上】





「ねぇ、皐月くん…
まさかこれ食べたからって
血を吸わせろなんて言わないよね…?」



努めて笑顔で聞いてみる。



だけど、



「は?

お前何言ってんの?
そんな事言わないし」



「で、ですよねー」



ほ、良かったぁ。



そう安心したのも束の間。



「わざわざ、血を吸うのに依茉の了解なんて得る訳無いだろ」



皐月くんは鼻で笑った。



は、い…?



私の笑顔は瞬時に凍り付く。



「お前、バカ?
普通餌に
“今から食べて良い?”
なんて聞かないだろ」



!!



そ、それは確かにそうだけどっ!



私って、やっぱり皐月くんにとって餌なんだ…。



現実が伸し掛かってくる。



分かってはいるけど、面と向かって言われるのはやっぱりキツい。