ピピピピピッ…



頭の上に置いてある目覚まし時計の音が鳴る。



意識だけ先に目覚めた私。



あー…、学校行かなくちゃ。



まだ眠い目を擦り擦り、目覚まし時計に手を伸ばして止めた。



ピピピピッ…カチッ、



時計を止めて上半身をベッドから起こす。



何か、だるいなぁ。



そう思って息を吐いた時だった。



ん?



顔を上げると目の前には壁に掛かるハンガー。


「…!!」


思わず凝視してしまった。



ハンガーには白いシャツと黒いズボンが提げられている。



これは…



“誰の?”なんて考えなくても閃いた。



昨日の記憶が頭に浮かび上がってくる。



皐月くんが着ていた服だ!



え、何で?



どうして!?


隣に目を向ける。



其処に皐月くんの姿は無かった。