緋と微熱と狂想曲【上】





ちっとも嬉しく無いっ!




「電気消して」



皐月くんが部屋の明かりに目を細める。



私はベッドテーブルの上に置いてあるリモコンを手に取ると、“OFF”のボタンを天井に向けて押した。



ピッ、



小さな音が部屋に響いて、一気に部屋の中が真っ暗になる。



「お休み」



皐月くんはそう言って瞳を閉じた。



「……。」



私はそれに答える事はせず、ゆっくりと枕に頭を預けた。



緊張で心臓がバクバクと音を立てる中、瞳を閉じる。



一刻も早く、この男から逃げる手段を考えなくちゃ…



急激な眠気が襲い、薄れゆく意識の中強くそう思った。










吸血鬼を好きになるなんて事絶対に有り得無いんだから──。