緋と微熱と狂想曲【上】





どうせ、そんな言葉なんて嘘。



分かってる、だって吸血鬼には“愛”なんて感情存在しないんでしょ?



「離してよ!」



ほだやされないんだからっ!



もう一度、皐月くんを拒否して逃げようとする私。



でもそれは叶わず、私は首筋を皐月くんに舐められてしまった。



「ひぁっ」



電気の様な感覚が身体の中を走り抜ける。



痛くて、でも何だか気持ち良い不思議な感覚。



「大人しく俺の腕の中で寝ないと、どうなるか分かるよね?」



優しく、でも強制を強いる皐月くんの声。



断ったらどうなるか、それを考えるだけでも背筋が凍る様な思いがした。



私は無言で皐月くんの腕の中に収まる。



「良い子だね」



皐月くんはそう言ってくれたけど…