緋と微熱と狂想曲【上】





そう思ってるのに。



「でも、やっぱさっきの無し。

俺が一緒に寝たい」



皐月くんは真剣な顔をしてそう言った。



「っ、」



その表情にドキッ、とする。



「おいで、依茉」



優しい声でそう囁かれて、手招きされたらもう最後。



気が付いた時には私は自ら皐月くんの隣に潜り込んでいた。



「…掴まえた」



皐月くんはニヤッと笑って私の事をぎゅっと抱き締める。



「や、離してよっ!」



布団の中でじたばたと暴れる。



し、信じられない。
いきなり抱き締めるだなんて何考えてんの、この男!



「依茉、良い匂いするから一緒にいると落ち着く」



皐月くんはそう言って私の頭を撫でた。



「~っ」