「はあ?お前、こんな簡単な問題がわかんねえのか?」
先輩の怒鳴り声が部屋中に響き渡る。
「だって、数学は苦手なんだもん!」
先輩に正直に苦手な事を伝えると…
「だからって中一で習う等式で間違うなんて。これ、致命的だぞ?」
先輩はあたしの苦手発言を気にせずにそう言った。
あたしは今、なぜか先輩の家で勉強を見てもらっていた。
先輩の家に来た理由は…
先輩がこうやってすぐに怒鳴るということ。
それともう一つ。
市立図書館に行って勉強をしようとした途端に『なんでお前みたいな不良がここで勉強するんだよ』と言いたげな嫌な視線を感じたからだ。
で、仕方なく今日はたまたま人がいないという先輩の家にお邪魔する事になった。


