とりあえずあたしはペチペチと今度は沢城さんの頬を叩いてみる。

そうするとムクッと沢城さんは起き上がって、


「なに？」


と、こちらを睨み付けてきた。


はっ？なに？その睨み顔は！？
起こしたあたしが悪いっていうわけ？

なんて言える訳なくて…

「沢城さん。もう７時半過ぎてますけど…」

時計を見ながらそう言うしかなかった。


すると、沢城さんはボーッと考え出した。と思ったら思い出したのかハッとした顔をする。


「お前！それを先に言えよ！！馬鹿が！」


結局怒鳴られる羽目になりました。

あたしが悪い訳じゃないのに…


「何をぼーっと突っ立てるんだよ！早く学校行くぞ！」


沢城さんはボーッと突っ立てたあたしの手を取ったかと思うとあたしを引っ張るように走りだした。


「え？　え？」


意味が分からずに時計を見ると時間はもう７時４５分になっていた。


うわー！このままじゃ遅刻する！


あたしも沢城さんに引っ張られながら急いで足を動かした。