確かにお姉ちゃんの発表会を見に行って、小さな男の子の演奏に感動して泣いてしまったことがある。
でもまさか、それを見ていた人がいるなんて……。
しかもそれが清水くんだったなんて……。
「それが俺の『気になる人』だったりするんだけど」
――……えええええ!?
――し、信じられないっ!!
「でもさ、この前も高橋さんに言ったよね?」
「何を?」
「高橋さんのこと気になるんだ、って」
私はものすごい勢いで席替えをしてからのことを思い返した。そんなこと言われたっけ?
「あーやっぱり! 俺、結構勇気出して言ったのにな。聞き流されたような気がしてたけど、その後どうも様子が変だし、もしかしたら……」
「ちょ、ちょっと待って!」
何を言おうとしているのかわからないが、嫌な予感がしてとにかく彼の言葉をさえぎった。裸眼だとテーブルを挟んでいるだけの距離でも清水くんがぼやけてはっきりと見えない。眼鏡を返してもらわねば!
「眼鏡返して」
「教えてくれたら返してあげる」
その続きを聞くのが怖い。私の様子が変なのはいつものことで……
「俺のこと、そんなに嫌い?」
「ち、違う!」
反射的に口から否定する言葉が出てしまった。慌てて口を押さえたがもう遅い。
清水くんはニヤッと笑った。
――出た! 悪魔の微笑み!!
「じゃあ……」
でもまさか、それを見ていた人がいるなんて……。
しかもそれが清水くんだったなんて……。
「それが俺の『気になる人』だったりするんだけど」
――……えええええ!?
――し、信じられないっ!!
「でもさ、この前も高橋さんに言ったよね?」
「何を?」
「高橋さんのこと気になるんだ、って」
私はものすごい勢いで席替えをしてからのことを思い返した。そんなこと言われたっけ?
「あーやっぱり! 俺、結構勇気出して言ったのにな。聞き流されたような気がしてたけど、その後どうも様子が変だし、もしかしたら……」
「ちょ、ちょっと待って!」
何を言おうとしているのかわからないが、嫌な予感がしてとにかく彼の言葉をさえぎった。裸眼だとテーブルを挟んでいるだけの距離でも清水くんがぼやけてはっきりと見えない。眼鏡を返してもらわねば!
「眼鏡返して」
「教えてくれたら返してあげる」
その続きを聞くのが怖い。私の様子が変なのはいつものことで……
「俺のこと、そんなに嫌い?」
「ち、違う!」
反射的に口から否定する言葉が出てしまった。慌てて口を押さえたがもう遅い。
清水くんはニヤッと笑った。
――出た! 悪魔の微笑み!!
「じゃあ……」



