清水くんはフッと笑って
「高橋さんはやっぱりもともと出来がいいよね。きっと苦手意識が強すぎるんだよ。数学的思考はちゃんと出来てるのにな。それに比べてアイツは……」
と言った。
その言葉が嬉しくて顔に火が付いたようになってしまった。
……でもその「アイツ」って?
その人が一人目なのだろう。私は息を詰めて彼の次の言葉を待った。
「酷いんだよね。考え方が性格と同じでひねくれててさ。教えたくないけど仕方ないよね、妹じゃ……」
「妹……サン?」
「あ、そうそう。俺、妹もいるんだ」
――なーんだ! 妹さんか。
清水くんが私を見てクスッと笑った。
まずい! 今、思わず顔が緩んでしまった。
「何考えてたの?」
「いえ、何も……」
「ふーん」
清水くんはニヤニヤしながら私をじっと見つめた。私はうつむいてとにかくテーブルを見続ける。
「あんまりからかって嫌われたくないからな」
――……え?
思わず顔を上げて真正面のきれいな顔を見てしまった。
ニヤニヤしていたはずの彼の顔からは笑みが消えていた。そして私から視線をはずして少し遠い目をした。
「前にものすごく泣き顔がきれいな女の子を見たことがあって、ずっと忘れられないんだ」
「高橋さんはやっぱりもともと出来がいいよね。きっと苦手意識が強すぎるんだよ。数学的思考はちゃんと出来てるのにな。それに比べてアイツは……」
と言った。
その言葉が嬉しくて顔に火が付いたようになってしまった。
……でもその「アイツ」って?
その人が一人目なのだろう。私は息を詰めて彼の次の言葉を待った。
「酷いんだよね。考え方が性格と同じでひねくれててさ。教えたくないけど仕方ないよね、妹じゃ……」
「妹……サン?」
「あ、そうそう。俺、妹もいるんだ」
――なーんだ! 妹さんか。
清水くんが私を見てクスッと笑った。
まずい! 今、思わず顔が緩んでしまった。
「何考えてたの?」
「いえ、何も……」
「ふーん」
清水くんはニヤニヤしながら私をじっと見つめた。私はうつむいてとにかくテーブルを見続ける。
「あんまりからかって嫌われたくないからな」
――……え?
思わず顔を上げて真正面のきれいな顔を見てしまった。
ニヤニヤしていたはずの彼の顔からは笑みが消えていた。そして私から視線をはずして少し遠い目をした。
「前にものすごく泣き顔がきれいな女の子を見たことがあって、ずっと忘れられないんだ」



