みんな、不審に思ったけど



きっと聞いてはいけないことだと思ったから




誰も口を開かなかった。




それから、数日。




ユキが練習に来た。




『ユキ!』




俺はとびつくようにユキの元へ行った。




ユキは




『練習休んでてごめんね…ひどい風邪でさ…』




と笑って言っていたが、今思えば、目は全く笑っていなかった。




俺はユキのピアノを久々に聞けると思って




ただ、嬉しかった。




ユキがピアノの席につき、俺たちはその周りに集まった。




ユキは緊張しているのか、なかなか楽譜を広げない。