『ここに、琉生君の

携帯から、連絡してください。

お礼をしたいから』


ノートに書かれていた言葉を呼んだ。


「いいよ。

オレも、君にぶつかって、おあいこ」


オレは、紙を握りしめると、

その場から離れようとした。


「琉生君」

田中先生が、オレを呼び止めた。



「なんですか?」


「春美が、絶対連絡してほしいって」


そう言って、微笑んだ。

オレは笑顔で頷くと、

学校に向かって歩き出した。


・・・

本当は、春美の連絡先が知れて、

かなり嬉しかったけど、

それがバレるのは、

恥ずかしかったから、

何食わぬ顔で、その場を後にした。