『手話はやめよう』


なんで?

せっかく二人で会話ができると、

喜んでいたのに。


春美を見つめると、

小さく何かを指差して見せた。


・・・・・あ。



手話で会話してる俺たちを、


好機の眼差しで見てる・・・


「オレは気にしないよ」


そう言ったけど、


春美は首を振った。



『私は気にする』



「・・・なんで?」



『私は生まれつきこれだからいいけど、

琉生まで、聴覚障害者だと思われる』


・・・・

耳が聞こえないことで、

春美はたくさん苦労してきたんだろうな。

そう思うと、

胸がキュンとした。