『もう・・・

「オレ」の春美じゃないから、

それは聞き入れられない』



そう言って立ち上がった真治君は、

フェンスに手をかけた。



・・・

立ち上がろうとしたけど、

薬が完全に切れてないせいか、

なかなか立てない・・・



『…さよなら。

オレのたった一人の春美』



今にも飛び降りそうな真治君の元に、

ふらつく足で走った。